鍼灸治療による不妊症改善の取り組み
当院は不妊治療に力を入れている鍼灸院になり、不妊でお悩みの方が多く来院されております。
現在7組に1組の割合で悩まれている不妊症ですが、現在の不妊症の定義は「避妊をしていないが1年以上経過しても妊娠できない状態」となります。
不妊症にも色々な原因があり、当院に来院される方は原因不明の方は比較的少なく、PCOS(多嚢胞卵巣症候群)、黄体機能不全などが原因で不妊症となっている方が多く来院されます。
鍼灸治療は副作用なく妊娠しやすい体へと変化させていきますが、鍼灸治療を希望されるケースも様々で、ホルモン剤を使用したくない方、できるだけ自然な形での妊娠を希望される方、体外受精などに向けての体調の底上げなど様々です。
当院では現在タイミングを取っている方、人工授精、体外受精、顕微受精と、どのステージの方にもしっかりと対応させていただきます。
また、鍼灸で妊活をお考えの方もご相談ください。
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不妊症の原因
- 女性側の問題
- 子宮の問題:子宮内膜症、子宮腺筋症、子宮筋腫、子宮後屈など
子宮頚管の問題:頚管の減少、感染による頚管炎症
卵管の問題:卵管狭窄、炎症や癒着
卵巣の問題:様々な原因による排卵障害
感染症:クラミジアなど
ホルモンの問題:脳の視床下部、下垂体ホルモンの分泌異常
女性の場合、主に血液検査で分かる内容になるため、まだ病院で検査を受けていない場合は1度検査を受けてみることをお勧めいたします。
- 男性側の原因
- 精液検査による精子の数、精液の量、運動率、奇経率など。
不妊症の原因は女性側だけではなく、約50%は男性側にもあるとされています。
自然妊娠を希望される場合、WHOが推奨する精子の数値は精子濃度1ml中、1,500万個以上、運動率40%以上となります。
ただし、数値に問題があったとしても1度の検査で判断されるのではなく、何回か検査されることをお勧めいたします。
当院の不妊治療の考え方
鍼灸治療で妊娠しやすい体へ体質改善
妊娠するためにはまずは体が健康で元気な状態でなければいけません。
病院での治療は体に非常に負担をかけてしまいますが、鍼灸治療は体を元気にさせていくことで治癒力を高め、より妊娠しやすい体へと体質改善させていきます。
当院の鍼灸治療は東洋医学の観点から個々の不妊症の原因となっている体質を見極めて治療を行う真のオーダメイド治療になります。
あくまでも東洋医学の観点から考えていくため、不妊症に効くツボ、排卵障害に効くツボ、ホルモンバランスを整えるツボなどに鍼を刺すのではなく、 体全体の状態を診て鍼灸治療を行っていくため、不妊症とは関係なさそうな肩こりや腰痛、めまい、アトピーなどの体の不調も改善させていきます。
鍼灸治療で体質改善し卵子の質の改善や着床率を上げる
体外受精や顕微授精を行っている方に対して鍼灸治療ができることは卵子の質の改善や着床率を高めることになります。
採卵に向けて鍼灸治療を行う場合は3~6か月ほどかけて体質改善していき、質の良い卵子が育つようにします。
なぜ、これだけの期間が必要かというと1つの原始卵胞が成熟し、排卵するまでの期間が約6か月となるためです。
すでに採卵を終えている方の場合は胚移植に向けて体調を整えるとともに、子宮内の血流を改善するための鍼灸治療を行っていき、着床しやすい子宮環境にしていきます。
世界中で研究されておりますが、胚移植前に鍼灸治療を行うことで着床率が上がるというデータも出ております。 当院の治療の目的
- 1. 東洋医学の観点から不妊症の原因となっている体質を分析します。
- 2. 個々の不妊体質を根本から改善します。
- 3. ホルモンバランスを整えます。
- 4. ホルモン剤の使いすぎによる体や卵巣のダメージを回復させます。
- 5. 子宮内膜を厚くし、着床しやすくします。
- 6. 卵巣機能を改善し、質の良い卵子を作れるようにします。
東洋医学から診た不妊症体質
東洋医学の観点から考えると不妊症体質も様々になり、しっかりと見極めることが大切であり、効果のあるツボも個人によって異なってきます。 以下が代表的なものとなりますが、これら以外も考えられますし、複数の原因が重なることもあります。
- 腎虚
タイプ - 子宮、卵巣などの生殖機能が低下した状態。 足腰がだるく疲れやすい、物忘れ、白髪が増えた、耳鳴り、難聴、頻尿、夜間尿、精力減退、流産しやすい
- 肝鬱
タイプ - 全身、または子宮・卵巣のエネルギー循環が悪い状態。 イライラしやすい、月経前に胸が張る、緊張しやすい、ガスが溜まりやすい、生理痛
- 瘀血(おけつ)
タイプ - 全身、または骨盤内の血流の状態が悪い状態。 生理痛が酷い、月経血が赤黒い、月経時に血の塊が多く出る、目の下のクマ、筋腫や嚢腫がある
- 気血両虚
タイプ - 元々、または病気が原因で体が弱った状態。 疲れやすい、めまいや立ちくらみ、乾燥肌、髪のぱさつき、下痢をしやすい、爪がもろい、月経が遅れがち
不妊症、妊活の鍼灸施術の症例
当院での不妊症、妊活に対しての鍼灸施術の症例を一部ご紹介いたします。
※改善までの期間や効果には個人差があります。
【31歳女性】ホルモン値の異常による不妊症
自然妊娠を希望しているが、なかなか妊娠にいたらないため婦人科にて血液検査を行なうとFSHがやや高値であることが判明。
【FSHが高くなる原因および問題点】
FSHが高くなる原因として卵巣機能が低下している可能性があげられます。FSHは閉経を迎えた女性であれば誰でも高くなってしまうため、何かしらの原因で若くして卵巣機能が低下していることになります。
また、卵巣機能が低下していると卵胞がしっかりと育たない、子宮内膜が厚くならない、性欲がなくなるなどの問題点が出てきます。
薬での治療ではなく、なるべく自然な形での妊娠を希望するため鍼灸治療を選択。
【弁証】腎虚>肝鬱気滞によるホルモン異常による不妊症
百会、照海、腎兪、太ケイなどから都度反応を診ながら2箇所選穴し、週1回の治療を基本として行っていく。
4診目終了後に生理が来ないため、検査薬を使用すると陽性反応あったので病院を受診すると胎嚢を確認。
5診目終了後に病院にて心拍を確認したため鍼治療は終了。
今回はFSHの改善があったかどうかまでは確認はできませんでしたが、無事に自然妊娠することができました。
【32歳女性】妊活
不妊との診断は受けていないが、既往歴に卵巣嚢腫による卵巣摘出手術を受けている。
また、もう片方にも卵巣嚢腫と子宮筋腫があり、手術を行っているため早めにした方が良いと医師から言われているため、鍼灸治療を希望される。※片方の卵巣は残っている状態。
月経周期は29〜35日で月経血が暗紅色で生理痛があり、毎回痛み止めを飲んでいる。
生理前になるとイライラ、涙もろくなる、体のだるさなどあるが、生理が来るとこれらの症状はなくなる。
【弁証】:腎陰虚>肝鬱気滞症による不妊症
治療は週1回のペースで行っていき、左照海、または左太ケイ穴を基本穴として、肝兪、合谷、百会を日によって選穴して使用していく。
基礎体温は毎日つけていたが、予測体温でつけていたため、実測体温に変更してもらうと、体温は比較的安定していることが分かる。
また、治療を始めて最初の生理時には生理痛はあるが、薬を飲むほどではなくなる。
治療を開始して3か月目には毎晩のようにかいていた寝汗がほぼなくなる。
4周期目で自然妊娠できたため治療終了。