無意識に手や頭がふるえる本態性振戦とはどのような病気か?

頭(首)、手が震えてしまうが、色々な検査をしても原因が分からないとお悩みではありませんか?

体の一部がふるえてしまう病気は色々ありますが、検査をしても特に異常が見つからない場合は「本態性振戦」という病気かもしれません。

今回は本態性振戦がどのような病気なのか、どんな治療法があるのか、さらに鍼灸治療で改善可能かどうかなどについてお話していきます。

無意識に手や頭がふるえる本態性振戦とはどのような病気か?

手を抑える女性

なかなか聞きなれない本態性振戦がどのような病気なのかを見ていきましょう。

 

本態性振戦の症状

本態性振戦の症状は体の一部に規則的にふるえの症状が出る病気になります。

また、この震えは静止時にはほとんど現れることがなく、特定の動作を行った時にのみ震えが症状るのが特徴となります。

【例】

  • 文字を書く時
  • 箸を持つとき
  • コップを持つとき
  • 本や新聞を読む時

このような時に手や頭などが規則的にふるえが起きますが、ふるえ以外の症状が現れることはありません。

軽度の場合は日常生活にそれほど影響がありませんが、重度になってくると日常生活にも影響が出ててきてしまいます。

 

本態性振戦の原因

本態性振戦の原因ははっきりとは分かっていないため、原因は不明となります。

しかし、発症前のことを聞くと過度のストレスや緊張状態があり、また症状も緊張やストレスが強まることで酷くなる傾向があります。

そのため、ストレスが関係している可能性は非常に高くなってきます。

また、この病気は年齢は関係なく発症します。

 

体のふるえが起きる病気

体の一部にふるえが起きる病気は多々ありますが、これからご紹介する病気ではない場合に本態性振戦となります。

  • パーキンソン病
  • バセドウ病(甲状腺機能亢進症)
  • ジストニア
  • アルコール依存症

有名どころでは上記のような病気があります。

この中でも特に気になるのがパーキンソン病やバセドウ病かと思います。

パーキンソンやバセドウ病は比較的見られる病気であるため、本態性振戦との鑑別もしやすくなります。

まずパーキンソン病は以下のような特徴があります。

  • 高齢者がかかりやすい
  • 静止時にふるえる
  • 動作がゆっくりになる
  • 歩行時に最初の一歩が出しづらい

バセドウ病は以下のような特徴があります。

  • 女性がかかりやすい
  • 喉にある甲状腺の腫れ
  • 体重減少
  • 多汗
  • 精神不安定
  • 眼球突出

体のふるえ以外にもこのような症状があれば本態性振戦ではなく、パーキンソン病やバセドウ病によるふるえということになります。

 

本態性振戦の治療法について

問診をする男性医師

本態性振戦の治療は薬での治療と手術による治療があります。

また、診断を受けるためには神経内科を受診するようにしましょう。

 

日常生活に影響があまりない軽度の場合は薬での治療になる

本態性振戦による体のふるえでも軽度の場合は基本的には薬での治療になります。

しかし、中には特に治療を行わずにしばらく様子を見ることもあります。

どのような薬での治療になるかというとアロチノールという交感神経を抑える働きのある薬が使用されます。

また、アロチノールで効果が見られない場合はボツリヌス注射を行うこともあります。

  • アロチノールは保険適用
  • ボツリヌス注射は保険適用外

 

日常生活に影響がある場合は手術の適応になる

本態性振戦により日常生活に支障が出てしまっている場合は手術をすることになります。

または薬での治療がうまくいかないケースで本人の希望があれば手術をすることになります。

本態性振戦の手術を行う際は脳の手術となるため、大掛かりな手術となってしまいます。

つまり、開頭手術ということになります。

さらに不安をあおることになってしまいますが、脳深部刺激療法(DBS)という手術方法の場合は一部の工程を局所麻酔にて意識がある状態での手術となります。

本態性振戦の手術に関しては以下を参照ください

DBS手術の内容

 

本態性振戦に対する鍼灸治療の効果について

鍼灸治療

本態性振戦の治療は多くの方が病院での治療を選択されますが、中には鍼灸治療で改善できないか気になる方もいらっしゃるかと思います。

そのため、鍼灸治療の効果についてもお話していきます。

 

本態性振戦は鍼灸治療でも改善可能

本態性振戦は鍼灸治療でも改善可能となります。

しかし、すべての方に効果があるかと言われれば、これはどんな医療でも同じことが言えますが、個人差があるということになってしまいます。

ではなぜ鍼灸治療でも改善可能かというと、本態性振戦はストレスとの関係が深いため、このストレスにより起きている体の反応に対して鍼灸治療を行っていきます。

当院の場合は東洋医学の考えに基づき鍼灸治療を行っているため、東洋医学的に本態性振戦を引き起こしている原因を探っていき、一人ひとりの体質に合わせた治療を行っていきます。

 

本態性振戦を東洋医学ではどのように考えるか

本態性振戦の特徴である「ふるえ」は東洋医学でどのように考えるのか?

この「ふるえ」は東洋医学では「内風」が深く関係していると考えます。

内風とは体の中で発生した上昇気流による風になります。

風が吹くことで木の枝が揺れますが、体のふるえはこのような状態が体だの中で起きていると考えます。

ではこの内風がどのようなことが原因で起きるかというと以下のような場合に起きてきます。

  • ストレス(肝風内動)
  • 血液の不足(血虚生風)
  • 体内の水の不足(陰虚生風)
  • 体にこもった熱(熱極生風)

内風が発生する原因は上記の4つのパターンになりますが、どの状態でも本態性振戦のように体のふるえが発症します。

ストレスが原因で起きるケースもあればそうでないケースもあるため、東洋医学では問診だけではなく、ツボ、舌の状態、脈、お腹、顔色などあらゆる情報を総合して判断していくことになります。

もし、病院での治療がうまくいかない場合は東洋医学である鍼灸治療を選択してみてはいかがでしょうか?

 

まとめ

突然体の一部にふるえが出ると不安になってしまいますが、まずは病院を受診して原因を特定することが大切です。

もし、原因が特定でき、改善することができる病気であればふるえの症状は改善することができます。

本態性振戦の場合は原因が特定できないとされていますが、やはりストレスとの関係は考える必要があるため、ご自身にとってどのようなストレスがあるかを一度しっかりと考えてみましょう。

また、薬での治療がうまくいかない場合や手術はちょっと…という場合は鍼灸治療も検討いただければと思います。

生活に支障が出てから鍼灸治療を始めるよりも、軽度の時点で治療を始めた方が治療効果が良いのは言うまでもありません。