難聴について

耳の聞こえが突然悪くなりお困りではありませんか?

だれでも歳をとればいつかは耳が遠くなる難聴になってしまいますが、ストレスや外傷などが原因で若くして難聴になってしまうこともあります。

本記事では難聴について鍼灸師が解説しておりますので、お困りの方の参考になれば思います。

難聴について

聞き耳を立てる女性

 

難聴はどのような病気か?

難聴とは字のごとく、耳が聞こえなくなる病気のことになり、「耳が聞こえにくい」という症状と共に耳鳴りや耳の痛みを伴うこともあります。

芸能界ではKinKi Kidsの堂本剛さんが突発性難聴を発症し、芸人では千原ジュニアさんが結婚後すぐにストレスから片耳が聞こえなくなったと言われています。

一般的には40~50代で発症することが多い病気になりますが、現在では年齢を問わず、若い年代でも多く発症しています。

難聴は西洋医学では治療法が確立されておらず、後遺症を残す恐れのある疾患であるとともに、西洋医学が苦手な疾患でもあります。

 

難聴の原因は?

難聴の原因としては以下が考えられます。

  • 頭部外傷
  • 鼓膜の損傷
  • 急激な気圧の変化
  • ウイルスや細菌感染
  • 内耳の血流障害
  • ストレス

難聴の原因は多岐にわたりますが、現代ではイヤホンを使用して大音量で音楽を聴くことも発症の原因となります。

そのため、堂本剛さんの場合は芸能界ゆえのストレスに加えて、音響の影響もあるのかもしれません。

珍しいケースではありますが、耳にゴミがたまっていたり、虫が入り込んでいるために一時的に聞こえにくくなっていることもあります。

まずは耳鼻咽喉科を受診して原因を突き止めるようにしましょう。

 

【どこからが難聴?】聴力検査について

一般的に聴力検査では30db(デシベル)以上で難聴と診断されることになります。

ここで大切なのが、ある特定の音域のみに注目するのではなく、「4分割法」の数値が30㏈以上あるかどうかで判断されることになります。

この4分法で30以下であれば日常生活上は特に問題のない数値となります。

4分法の計算方法:500㏈+(1,000㏈×2)+2,000㏈
画像の左耳の場合:65+(55×2)+65=60㏈

 

難聴の種類について

耳の構造は外耳、中耳、内耳の3つに分けられますが、耳のどこに問題があるかによって分けられます。

 

伝音性難聴

外耳や中耳に炎症や損傷が起きたことが原因で起きる難聴。

中耳炎や外耳炎により引き起こされることが多く、難聴になったとしても比較的軽度ですむ場合が多い。

 

感音性難聴

内耳や聴神経、脳などの音を感じる部分が大きな音による損傷や加齢などによる障害が原因で起きる難聴。

「感音」というだけあり、実際に音を感じる部分に問題が生じるため、難聴としては重症になることも多くなります。

また、日常生活にも影響が出る場合は補聴器をする必要も出てきます。

  • 加齢
  • ヘッドホンやイヤホンによる爆音
  • メニエール病
  • 突発性難聴

こういったことが原因で感音性難聴が起こります。

 

混合性難聴

伝音性と感音性のどちらの症状もみられる難聴で、外耳、中耳、内耳のすべての個所に問題が生じている状態。

難聴の程度としても軽度〜重度と個人差が大きくなります。

 

難聴の治療について

耳鼻科の薬

難聴の治療について病院ではどのような治療をするのか?

鍼灸治療の効果はどうなのか?について見ていきましょう。

 

病院での難聴の治療

「難聴の治療は時間との勝負」と言われ、発症後すぐに治療を始められると比較的治癒しやすく、治療が遅れると後遺症として難聴が残ってしまうと言われます。

実際には早期に治療を行ったとしても1/3しか治癒しないとも言われています。

病院での治療は主にステロイドの投与。

ステロイドにより内耳に起きている炎症を抑えることが行なわれ、その他、ビタミン剤なども処方されます。

 

難聴に対する鍼灸治療の効果は?

鍼灸治療で難聴の治療はもちろん可能になりますが、やはり「時間との勝負」と言える部分があります。

発症してからの期間が短ければそれだけ治癒しやすく、逆に時間が経過してしまっていれば時間がかかることになります。

当院にも難聴の方はいらっしゃいますが、皆さんが口をそろえて言われるのが、「鍼灸で難聴が治るとは思わなかった」ということ。

つまり、難聴を発症してから数ヶ月~数年後に鍼灸治療を始めるケースが多くなるため、治療に数ヶ月要するケースがほとんどになります。

しかし、中には1回で判断され来院されなくなる方もいらっしゃるのが事実です。

1度で判断されるのであれば鍼灸治療は選択肢から外すことをお勧めいたします。

どこでどんな治療を選択したとしても、難聴がすぐに改善することはなく時間がかかります。

病院で治療を受けても改善しないため、鍼灸を選択されるのであれば時間がかかるということは覚悟していただく必要があります。

 

当院の難聴に対する鍼灸治療のやり方

当院での難聴の治療は耳周囲に鍼を刺すことはしておりません。

こういった治療は単純な局所治療であり、対処療法でしかありません。

当院では全身の状態を東洋医学の観点から診て、全身の状態を改善することにより難聴を改善していきます。

難聴と言っても原因は人それぞれで、ストレスなのか?過労なのか?加齢なのか?によっても治療法は変わってきます。

そのため、当院では東洋医学の観点から一人ひとりの体質を診て鍼灸治療を行っていきます。

 

難聴に対する鍼灸治療の症例

聴力検査の結果 施術前

50代男性

3年ほど前から左耳の難聴があり、耳鼻科で聴力検査を行なうと左耳に聴力の低下が見られ、平均聴力(4分法)が60dBとかなり悪い状態。

ストレスと加齢が原因で起きた肝陽上亢証による難聴とし、左照海または左太ケイを使用し週2回の治療を行なうこと12回。

聴力はかなり改善され、以前は左側から話しかけられても気づかないこともあったが、今ではそういったことはほとんどなくなる。

聴力は以下。

【治療開始前】:4分法で60㏈

【現在】4分法で37.5

その他の難聴に対する鍼灸治療の症例はこちら

聴力検査結果 施術後

 

まとめ

難聴はお年寄りだけではなく、若くしてなんてしまう方も珍しくない病気の1つになります。

また、この難聴は西洋医学が苦手としている病気の1つでもあり、薬を使用しても思うように改善がみられないということも珍しくない病気でもあります。

しかし、鍼灸治療では意外とすぐに改善することも珍しくはありません。

もちろん、時間がかかることもありますが、難聴でお困りの方は鍼灸治療もご検討いただければと思います。



プロフィール

【国家資格】
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】
小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にて2009年にはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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