東洋医学での肝の働き

●疏泄(そせつ)
疏泄とは肝気が全身の気の流れを調節し、気血水の運行や脾胃の運化を促進し、胆汁の分泌や排泄、感情をコントロールする作用を指す。
そのため肝気の流れがスムーズであれば、気持ちにゆとりがあり、胃腸の働きもいいが、肝気が滞るとイライラしやすく、消化機能の低下、血行不良によるお血が生じる。

また肝は精神活動を支配しているため肝の働きが悪いと情志に変化が現れやすくなる。
この変化は抑鬱と興奮の2つに分けられ、肝気の流れが悪くなると抑鬱状態になりやくす、わずかな刺激を受けただけでも強い抑鬱状態になる。逆に肝気が興奮しすぎるとイライラしやすくなり、わずかな刺激でも起こりやすくなる。
そのため、女性が生理前にイライラしやすくなったり、抑鬱気分になるのは肝の働きに問題があると言うことになります。

●胃腸系との関係性
ストレスにより胃が痛くなることがありますが、こういった場合は胃に問題があるのではなく、肝に問題があります。
肝と胃腸系をあらわす「脾胃」の関係性は主従関係があり、簡単に言うと肝の方が脾胃よりも強い関係性になります。
胃は降濁という胃の内容物を下(小腸)へ運ぶ機能があり、正常な場合では肝気はこの働きを助けていますが、過度のストレスが加わることにより肝の働きが過剰になりすぎるとまるで上司が部下をいじめるかのごとく脾胃を攻撃することにより機能が低下してしまいます。
そのためストレスによる胃腸系のトラブルとしては胃痛以外にも、逆流性食道炎や過敏性腸症候群、胃炎などとして現れることがあります。

また、肝は目・涙・爪などとの関係が深いため、これらに異常がみられれば肝に問題があるかな!?っということになります。

ちなみにシミ、そばかす、肌質改善を目的に美容鍼灸を行う場合はこの肝の治療が必要になってきます!

Share

関連記事

不妊治療の気になるペース

コンテンツ1 不妊治療に鍼灸を取り入れる場合、どのくらいのペースで通う必要があるの?1.1 原因不明の不妊の場合1.2 不妊の原因となる基礎疾患がある場合※多嚢胞、無排卵、黄体機能不全など1.3 40代の方2 まとめ 不[…]

[» 続きを見る]

女性アスリートと月経②

前回は疲労骨折の原因として「無月経」があるという話でしたが、まずは女性アスリートが無月経になる順序からいきましょう。 無月経ということは毎月来るはずの生理が来ないことになります。 結論から言いますと エストロゲンという女[…]

[» 続きを見る]

怪病多痰

怪病多痰。 東洋医学にはこのような考え方があります。 これは「原因がいまいち特定できない病」の場合、痰という病理物質が原因となることが多いという考え方になります。 では痰とは何なのか? 痰というのは体の中に溜まった水分に[…]

[» 続きを見る]

東洋医学で考えるかゆみの原因

花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー疾患の症状の1つとして現れる「かゆみ」。 実はこの痒みが起きるメカニズムというのは現代医学では分かっておりません。 ただ1つ分かっているのはかゆみを引き起こす物質に関してです。 そ[…]

[» 続きを見る]

本当に凄い鍼灸師とは?

本当に凄い鍼灸師ってどんな人でしょうか? きっと多くの方が 「どんな病気でも1回で治してしまう」または、どんな病気も治してしまう。 という鍼灸師を想像されると思いますが、これは間違いです。 なぜなら1回で治すことができな[…]

[» 続きを見る]