【54歳女性】正常眼圧緑内障に対する鍼灸治療の症例

【54歳女性】正常眼圧緑内障に対する鍼灸治療の症例

眼精疲労で悩む女性

当院での緑内障に対する鍼灸治療の症例をご紹介いたします。

緑内障についてはこちら

 

緑内障を発症してから鍼灸治療を始めるまでの経緯

48歳の時に目に違和感を感じ眼科を受診すると正常眼圧緑内障と診断される。

自覚症状としては以前より視力が低下したと感じる程度で、視野欠損などの自覚はないが、検査をすると少し見えにくくなっている部分もある。

眼圧は左17、右19の状態で診断されてから点眼薬を使用している。

点眼薬を使用していても眼圧にそれほど変化がないため、鍼灸治療を希望され来院される。

 

その他の自覚症状や生活習慣

疲れやすい、かすみ目、疲れ目、揺れるようなめまい、乾燥肌、便秘気味、乗り物酔い、冷え性、白髪が増えた、ホットフラッシュ、足腰の弱りなど

現在の仕事は事務作業のパートをしている。

  • 脈診:沈細弱
  • 舌診:淡暗色、歯痕あり、はんどん
  • 気色診:肝胆白抜け
  • 腹診:全体的に虚軟

 

弁証及び治療について

肝腎陰虚証による正常眼圧緑内障。

約2か月後に眼科での定期検診があるため、週1回のペースで鍼灸治療を行っていく。

鍼灸施術では照海、大巨、百会を基本として、目の周囲のツボである太陽、瞳子髎を使用。

鍼灸施術開始後、約2か月経過してからの眼科での眼圧検査の結果は左13、右14と以前よりも低くなっていた。

その後も鍼灸施術を月に2回ほどのペースで行っていくが、お子さんが元々の地元であった東京の私立中学に通うことになったため、当院での治療は終了する。

 

考察

年齢的に腎の弱りが出てきている年齢であり、肝腎陰虚の状態となっていました。

肝腎陰虚とは体の水分が低下した状態であり、東洋医学では肝と腎はともに目とも関係のある臓器になります。

肝腎陰虚になることで目の周囲の血流及び水の流れが悪くなっていることで緑内障を発症したと考えました。

治療は肝腎陰虚を治療するために照海、または大巨をメインのツボとして利用を行いつつ、目周囲の血流の改善を図る目的で目の周囲のツボにも鍼を行いました。

その結果、眼科での眼圧検査では点眼薬ではほとんど下がらなかった眼圧が以前よりも低くなりました。

緑内障に対しての鍼灸治療の効果は大学病院でも実証されているため、緑内障でお困りの方はご相談ください。

東北大学医学部付属病院眼科



プロフィール

【国家資格】
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】
小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にて2009年にはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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