当院のアトピー性皮膚炎の鍼灸治療の症例をご紹介いたします。
2016年9月来院。
幼少期よりアトピー性皮膚炎で常にステロイドを使用してきた。
30歳から5~6年ほど光線療法と鍼で改善するも時々はステロイドを使用。
その後も再発を繰り返していたため、中国から来日されていた漢方医に処方してもらった当帰飲子を1年間飲み続けるも効果なし。
昨年の2月に右目にデキモノができたが、原因不明で運動も禁止されていたため間食が増え、この頃から症状が悪化しだしたため、再度他院にて「井穴刺絡」を中心に行なう鍼治療を開始するも効果は感じられない。
皮膚の状態は苔癬化しており、特に胸から上の痒みが強く、寝ている間にも掻きむしってしまうため、浸出液が出てしまう。
重度の花粉症でアレルギー検査にてスギ花粉の数値が6、便秘気味、汗をかきにくい、貧血気味、無月経
弁証:肝胆湿熱証>腎陰虚によるアトピー性皮膚炎
治療は最初の1ヶ月は週2回のペースで行い、その後は週1回のペースにて行う。
3ヶ月が経過した頃には足の痒みと顔の赤みがなくなり、また浸出液も出なくなり、さらに生理も再開する。
5か月が経過すると胸と肩周りの痒みも落ち着いてきて、さらに花粉の時期になったが今シーズンはまったく出ていない。
10ヶ月経過すると苔癬化による肌のゴワゴワ感はやや残るも夜中に掻きむしることもなくなり、日中もほとんど痒みを感じなくなったため治療終了。
重度のアトピー性皮膚炎でしたが、約10ヶ月しっかりと治療を継続していただけたこともあり改善することができました。
漢方薬が効果がなかったのは東洋医学での「証=体質」が間違っていたためになります。
当帰飲子という漢方薬は「血虚体質」の方が服用するものですが、この方は「湿熱体質」によるアトピーになります。
また、生理が止まっていた原因はアトピーによる浸出液が出ることによる陰液の消耗があると考えました。
そのため、鍼灸治療では湿熱を取り除くための治療と陰液を補うための治療と陰液を補うための治療を行っていきました。
肌のゴワゴワ感は残ってしまいましたが、痒み、赤身、浸出液が出る、花粉症の症状、無月経という症状はしっかりと改善できた症例となります。
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