蝸牛型メニエール病の鍼灸治療の症例

蝸牛型メニエール病の鍼灸治療の症例

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3当院での蝸牛型メニエール病に対する鍼灸治療の症例をご紹介いたします。

 

鍼灸治療を始めるまでの経緯

30代女性。

3月中旬頃に寝ている時に頭を動かしただけでもめまいが起きるようになり、胃の調子も悪く嘔吐することもある。

同時に右耳に「ボーン」という感覚と、左耳が聞こえづらくなったため、かかりつけの耳鼻科に行くと蝸牛型メニエールと診断。

5日分の薬を処方されたが改善なし。

雨天や曇りの日に耳の調子が著しく悪くなる。

聴力検査では低音域の聞こえが良くない。

発症時期の生活状況を伺うと、長男の高校受験や入学準備など忙しくされていた。

 

その他の自覚症状

イライラしやすい、下痢をしやすい、頭痛、肩こり、手足の冷え、生理前の諸症状、手が荒れやすい

  • 脈:緊滑
  • 舌:淡紅・白じ苔・舌尖紅刺

 

弁証(東洋医学的な体質)と治療について

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弁証:肝鬱気滞・湿困脾土

家庭内でのストレスがたまっていたことと、もともと胃腸が弱いことが原因でおきためまいと考える。

治療は百会(左)、左足三里に15分置鍼。

治療当日の昼過ぎに眠たくなったため、1時間ほどの昼寝をするつもりが2時間ちょっと寝てしまう。

その後から左耳の聴力が自覚的にはかなり聞こえるようになる。

治療から2日後に耳鼻科にて再度聴力検査を実施。

  • 125HZ:55dB ⇒ 45dB
  • 250HZ:55dB ⇒ 50dB
  • 500HZ:50dB ⇒ 35dB

 

その後も鍼灸治療を週1回のペースで行い、計5回で問題ない数値まで改善したため終了。

 

考察

回転性のめまいは東洋医学では体に余分な水分がたまっていることや体の左右のバランスがバランスが乱れている場合に起きやすくなります。

今回のケースではストレスが引き金となり、水分代謝に関係する胃腸の弱りもあったため蝸牛型メニエールとなって症状が発症しておりました。

そのため、鍼灸治療では百会で全身の気の流れを良くし、さらに足三里で湿邪をとる治療を行なったところ良い結果が出ました。

めまいや難聴が薬で改善しない場合は鍼灸治療もお考え下さい。



プロフィール
【国家資格】
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】
小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にてはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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