【36歳男性】左耳の低音難聴に対する鍼灸治療の症例

【36歳男性】左耳の低音難聴

聴力検査の結果before

 

難聴に対する鍼灸治療の症例をご紹介いたします。

 

鍼灸治療を始めるまでの経緯

2022年の11月下旬〜12月上旬ごろに突然、左耳の聞こえが悪くなり、また人の声や物音も2重に聞こえるようになる。

近所の耳鼻科を受診し、聴力検査を行うと左耳の低音域である125㏈〜500㏈の聞こえが悪くなっていたた。

ステロイド、アデホスコーワ、メチコバールなどを処方さるが、改善されることはなかった。

名駅にあるめまい専門の病院を受診し、検査を受けて薬を処方されるもやはり改善はされることはなかった。

さらに心療内科も受診し、睡眠薬、安定剤を服用するが改善なし。

最終的には名市大の耳鼻咽喉科を受診し、柴苓湯を処方され飲んでいるが、いまだに改善される気配がないため鍼灸治療を希望され来院。

難聴となった思い当たる原因は仕事上のストレスで、特に人間関係の部分で問題があった。

病院を変わるたびに、メニエール病、突発性難聴と診断が変わっている。

 

難聴以外の自覚症状

寝つきが悪い、動悸、トイレが近く1日に15回ほど行く、夜間尿2〜3回あり

  • 脈診:中位滑やや弱脈
  • 舌診:淡紅舌、薄白苔、左舌辺剥離あり
  • 腹診:胃土、全体的に右に邪が強い

 

弁証(東洋医学的な体質)と治療について

聴力検査after

肝鬱気滞>腎虚による難聴。

症状としては腎の弱りの方が目立つが、難聴を発症した原因として職場での人間関係の問題があるため、根本的な原因としては肝鬱気滞というストレスによる発症と考える。

鍼灸治療はストレスによる気の滞りを改善するための鍼灸治療を週1回のペースで行っていく。

一時的に声や音が二重に聞こえる症状が悪化してしまうが、4回目の治療後から耳の聞こえが良くなり、声や音が二重に聞こえることもなくなる。

5回目の治療翌日に聴力検査を受けると数値も改善していたため、治療を終了する。

 

考察

予約の段階から軟調になってしまったことに対して非常に焦っている印象がありました。

今回、難聴を発症した原因はストレスとなりますが、この「焦り」もストレスとなってしまい治療効果にも影響が出てしまいます。

事実、私は治療ペースは週1回で問題ないというお話をしましたが、「週2回の必要性はないですか?」と何度も聞かれました。

週2回の治療を勧めることもありますが、症状だけではなく身体の状態も考慮していきます。

今回の難聴は数値的にはそれなりに悪い状態ではありましたが、体の状態としてはそこまで悪い状態ではなかったため、週1回のペースで問題ないと判断しました。

治療も気の滞りを良くする治療を行っていったところ難聴は改善されました。

病気になると焦ってしまう気持ちも分かりますが、一旦落ち着くようにしましょう。

難聴についてはこちら



プロフィール

【国家資格】
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】
小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にて2009年にはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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