こんにちは、蓬祥鍼灸院の長谷川です。
先日の話ですが、とある女性政治家がトンでも発言をされましたが、皆さんはご存じでしょうか?
政治家であり、子を持つ母親であるにもかからわず、「産後うつは甘えです」という発言をし、非常にネットで物議をかもしています。
では、産後うつは甘えなのかというと決して甘えなどではありません。
今回は育児経験あり、また産後うつを治療する立場でもある鍼灸師が産後うつは決して甘えではないというお話をしていきます。
産後うつは出産をする女性であればだれでもなってしまう可能性のある病気であり、最悪自殺をしてしまう方もいるため問題になっています。
しかし、「産後うつは甘えです」と発言した女性政治家は自分はならなかったからこのような発言をした可能性が考えあれますが、それにしても産後うつに関して知らなさすぎると思います。
産後うつとは出産後に発症するうつ症状で産後の女性の10人に一人の割合でなってしまう病気になります。
産後すぐに育児に対する不安感が襲ってくる場合もあれば、数週間~数か月後に育児ストレスや環境の変化、生活リズムの変化が原因で発症し、初産の方がなりやすい病気でもあります。
また、産後はホルモンバランスが大きく乱れていることも関係してきます。
さらに、出産後は体力が低下しているため、非常に疲れやすい身体になっています。
そんな中でも完璧を求めたり、「いい母親でいなきゃ」という気持ちで頑張りすぎて心身ともに疲れてしまうことで、産後うつを発症することもあります。
そのため、うつ病になりやすい「完璧主義者」の方は注意が必要になり、出産前にもうつ病になったことがある方も注意しなければいけません。
産後うつにはこのような症状があります。
症状としては基本的なうつ病の症状に加えて、子供に対する愛情が欠落してしまったり、時には暴力的になってしまったりすることがあります。
また、子供に対してこういったことをしてしまう自分が嫌になって更に落ち込んでしまうという負の連鎖が起きることもあります。
産後うつという病気は妊産婦(妊娠している女性と出産後の女性)の死因としては1位となっている自殺との関係が深い病気で決して侮ることのできない病気になります。
なぜ、産後うつが自殺という最悪の選択をしてしまうのかというと、一番の理由は育児ストレスになります。
なれない育児、初めての育児、不安や孤独感などから精神が崩壊してしまうことでこういった選択を取ってしまうことになります。
そのため周りの方、特に夫のサポートは必要不可欠で、どちらかの実家が近くにあるのであれば協力をしてもらうことも大切です。
産後うつによく似た症状としてマタニティーブルーというものがありますが、このマタニティーブルーと産後うつは別物になります。
マタニティーブルーというのは妊娠中や出産後のストレスや育児への不安、ホルモンバランスの乱れなどが原因で不安感や悲しみ、涙が出る、不眠という症状が出てきます。
しかし、こういった症状は1〜2週間ほどで自然になくなると言われています。
それに対して産後うつは長期間に渡り精神的な症状が続いてしまいます。
「産後うつは甘えです」発言をした方はそのほかにもこんな発言をされています。
皆さんはこの発言をどのように感じますか?
私個人としては産後うつを理解していない方の「自慢話」にしか聞こえません。
そもそも、選挙に出るということはいろいろな人の協力があるはずです。
そのため、選挙までの期間や選挙期間中は自分で育児をしておらず、ほかの方に育児を任せていた可能性は十分にあり得る話ではないでしょうか?
現実的なことを考えても、生後3か月の子の育児を自分の手でしっかりとやりながら選挙活動をするのは不可能だと思います。
つまり、この方は産後うつという病気をちゃんと理解できていないからこんな発言ができてしまうことになります。
もし、本当に理解しているのであればこのような発言は出てこないはずです。
こんな言葉を言われたら、それこそ当人は追い込まれてしまい、最悪の結果を招いてしまいかねません。
産後うつは社会問題にもなっているため、予防をするために大切なのが何よりも周りのサポートが必要です。
産後うつを予防するための方法は以下になります。
特に夫の育児への参加は不可欠であり、可能であればどちらかの両親(ベストは妻の両親)のサポートがあるとかなり精神的にも楽になるはずです。
日本では夫が育児休暇を取るという選択肢があってないようなもので、育児休暇を利用しようとすると上司に嫌な顔をされたりすることもあるため、ここが非常に大きな問題であり、変えていかなければいけない部分だと思います。
また、仕事で疲れていることを理由に育児を任せきりにする夫もいますが、こういったことも問題です。
毎日育児をしている母親に休息はほぼありません。
育児期間中であっても母親に自由な時間、一人になれる時間を作ってあげるためにも周囲のサポートは不可欠になります。
多くの方は子供が寝ているうちに、家事をやろうという考え方になるかと思いますが、思い切って子供と一緒に1時間でも寝てしまいましょう。
夜中に何度も授乳をしなければいけないため十分な睡眠が取れていないかと思います。
「寝る」ということは身体を休めるということ以外にも、「心の安定」にも繋がってきます。
「子供のことを第一優先とし、家事は後回しになっても仕方がない」ぐらいの気の持ち方で行きましょう。
また、夫は家事に手が回っていなくても妻を叱ることはしてはいけません。
喧嘩のもとにもなりますし、知らぬ間に産後うつに陥っていた場合に追い込んでしまうことにもなりかねません。
産後うつを防ぐために効果的なこととして「運動」があります。
運動といっても誰でも簡単に行なうことができる散歩を1日15~30分行なうだけで産後うつの予防にも繋がります。
また、産後うつは育児ストレスが大きな原因となり、育児中は何かと家にこもりがちで些細なことでイライラしがちになってしまいます。
適度な運動をすることはストレス発散にもつながり、心もリフレッシュすることができ、出産で低下した体力もつけることができます。
意外かもしれませんが、産後うつは1人目の出産後にならなかったとしても、2人目以降の出産後になってしまうこともあります。
2人目だと育児の経験をすでにしているため、産後うつにはなりにくいというイメージがあるかもしれませんが、現実としてあるお話です。
2人目以降の出産時に産後うつになってしまう方はやはり完璧主義者のため、上の子の面倒をちゃんと見てあげられないという罪悪感からなってしまう方が多くなります。
産後うつは出産をした女性であれば誰でもなりうる病気であり、決して甘えなどではありません。
そして、母体や母乳への影響を考えて、病院には通院しているが服薬には抵抗があるために服薬を中止し、症状が悪化してしまうことも問題となっています。
産後うつはうつ病に一種になるため、うつ病と同じくな完璧主義者がなりやす異病気でもあります。
また、初めての育児は分からなくて当然、できなくて当然でなので何も恥じる必要はありません。
子育ては確かに大変な部分もありますが、子供の成長が見て取れる楽しいものでもあります。無理せず、楽しい子育てができるように気をつけましょう。
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