こんにちは、蓬祥鍼灸院の長谷川です。
不妊治療をしている方が一番気になることは不妊治療が保険適用にならないかどうかということですが、政府が保険適用に前向きな姿勢を見せていることはご存じでしょうか?
そうだとしたら、いつからなのか?今ある助成金制度がどうなるのか?今治療している場合は待った方がいいのか?などいろいろと疑問が生じてきます。
今回は不妊治療が保険適用になるのなら治療をしている場合は待った方がよいのか、続けるべきか、さらには保険適用になった場合の気になる点などについて不妊治療にも携わっている鍼灸師が解説していきます。
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不妊治療は現在は一部の治療を除き自費診療がとなっていますが、政府は少子化対策として保険適用にすることを検討し始めています。
では不妊治療をしている場合やこれから始めようとしている場合は待つべきか、治療を始めるべきか悩むところではありますが、結論としては待つべきではありません。
不妊治療が保険適用になることは経済的な負担を減らすという意味では非常に良いことだと思います。
今年の6月には以下のような検討会議が開かれているため、政府としては不妊治療の保険適用には非常に前向きに考えていることが分かります。
「不妊治療の経済的負担の軽減を図るため、高額の医療費がかかる不妊治療(体外受精、顕微授精)に要する費用に対する助成を行うとともに、適応症と効果が明らかな治療には広く医療保険の適用を検討し、支援を拡充する。そのため、まずは2020年度に調査研究等を通じて不妊治療に関する実態把握を行うとともに、効果的な治療に対する慰留保険の適用のあり方を含め、不妊治療の経済的負担の軽減を図る方策等についての検討のための調査研究を行う。」
全世代型社会保障検討会議 第2次中間報告より
また、次期、自民党総裁の最有力候補となっている菅官房長官も「出産を希望する世帯を広く支援するため不妊治療への保険適用を実現する」と宣言されています。
実際、少子化は非常に深刻な状況となっており、2019年の出生数は過去最低となっており2018年よりも5万人も少なくなっており、毎年のように出生数は減少しています。
不妊治療は非常にお金がかかるため、一人を出産するために数百万とかかってしまうこともあるため、適用されれば金銭的な負担は確かに軽減されます。
しかし、肝心の保険適用の時期に関しては「早くても2年後」という解答をされていますが、実際にはまだ不明と言わざるを得ません。
今現在、不妊治療をしている方もこれから不妊治療を始めようとしている方は結論から言ってしまうと待つべきではありません。
なぜ、待つべきではないかというと、いつから保険適用になるかが分からないからです。
先程も触れましたが、「早くても2年後」と言われていますが、実際にはいつになるかは不明です。
保険適用になるのはひょっとすると3年後かもしれませんし、5年後かもしれません、または10年後かもしれません。
このような状況で保険適応になるのを待つのは時間がもったいないです。
仮に、今25歳の方の場合は3年後には28歳、5年後には30歳、10年後は35歳。
今35歳の方は3年後は38歳、5年後は40歳、10年後は45歳となり、待っている間にもどんどん妊娠が難しい年齢になってしまいます。
また、すべての方が保険適用になるという保証もありません。
ひょっとすると40歳以下や35歳以下という条件が出てくる可能性もあります。
不妊治療の保険適用の話は今に始まったことではなく、数年前から議論されていましたが、実現していないという現状があります。
だからこそ、これからしっかりと調査・検討・議論をしていき、実現させる必要がありますが、保険適用にするためにはやはり色々な問題があります。
この問題をクリアしていかなければ保険適用は難しいでしょうし、既に名古屋市内の有名な不妊治療クリニックの院長が「不妊治療の保険適用は無理!」と電話取材で回答されています。
政府としては少子化対策として実現させたいのかもしれませんが、本当に実現するかどうかも不明となります。
不妊治療が保険適用になるということは今現在の制度にもいろいろと変更や問題点が生じてくる可能性があります
それが以下になります。
現在は各自治体で「特定不妊治療助成金制度」というものがあります。
これは夫婦合算の所得が既定の額以下であれば6回まで助成金を申請できるという制度になります。
では、仮に不妊治療が保険適用になった場合にこの制度がどうなるのかを考えてみると、私個人の考えとしてはおそらく廃止されるのではないかと考えます。
そもそも、助成金という制度も金銭的負担を助けるための制度になるため、体外受精や顕微授精などの高度不妊治療は高額となってしまうため、その治療費を補助するための制度になります。
しかし、保険適用になれば負担は軽減するため、補助をする必要はないと考えるのが妥当ではないかと思います。
もしくは、保険適用に年齢制限が設けられた場合にはその方のみ対象となる可能性も考えられます。
保険診療というのは病気や怪我に対して適応されるものですが、不妊治療が保険適用になると「不妊とは言えない方」も対象になってくる可能性も否定できません。
どういうことかというと、まずは知っておいてほしいことがあります。
それは日本は世界的に見てもセックスレス大国であるということです。
つまり、性行為をするのが面倒くさい、嫌いだから保険適応になったから人工授精や体外受精をしようという考えを持つ方たちも出てくると思います。
しかし、これは不妊とは言えないため保険適用にするのは違うと思います。
「いや、そんな考え方の人いないでしょ?」と思う方もいるかもしれませんが、当院でも不妊治療に来られる方は多いですが、性行為が面倒くさい、嫌いという方は以外といらっしゃいます。
そのため、検査も受けていない、不妊とは言えない方は保険適用になることがないようにしていかなければならないと思います。
個人的には一番気になるのが健康保険の保険料や税金の負担です。
不妊治療を受けている方にとっては治療費が仮に3割負担になればかなり経済的な負担は減ることになりますが、その代償となるのが、毎月支払っている保険料や増税です。
健康保険に加入している人から徴収した保険料から支払われる療養費は毎年赤字が続いているということはご存じでしょうか?
そのため、日本の国民皆保険制度は崩壊しかけているといっても過言ではありません。
高額な不妊治療を保険適用にするということはそれだけ莫大な療養費が必要になるため、さらに圧迫することになります。
ではこのような状況で高額な不妊治療を保険適用にするためにはどうするべきか考えると以下の2つが考えられます。
まず1つ言えることは増税ということになります。
もし、こうなってしまうとなると私としては正直「イヤです!」。
しかし、本当に不妊治療を保険適用にするとなると増税は免れられないと思います。
仮に不妊治療が保険適用になり、自治体からの治療の補助金も出るとなると確実に増税しなければ不可能でしょう。
つまり、不妊治療にかかる費用負担は軽減されることになりますが、結果的には家計の出費は増えることになります。
菅官房長官も「消費税は将来的に引き上げざるを得ない」と発言されています。
不妊治療が保険適用になるとさらに晩婚化が進む可能性も否定はできません。
政府は少子化対策として不妊治療の保険適用を考えているようですが、私は逆の減少が起きる可能性もあると考えています。
というのも、芸能人や政治家が40代前半や40代後半という年齢で出産をしているからです。
そのため、以下のような考え方をする方も出てくるのではないかと思います。
こういった考え方を持ってしまうのも有名人が高齢出産をしているという事実しか見ていないからだと思いますが、その裏では何か月、何年もかけて治療しているという事実を知らないからだと思います。
私も不妊の方の治療をしますが「結婚すれば子供は自然にできると思っていた」と言われる方も少なくありません。
そのため、不妊治療が保険適用になることで晩婚化が進む可能性も否定できませんし、結果的に不妊治療を受ける夫婦も増えてしまえば医療費はさらに増してしまうことになります。
こういった状況にならないようにするためにも、保険適用は年齢制限を設ける方が良いかもしれません。
また、本当に保険適用にすることが少子化対策になるかも疑問があります。
一番の少子化対策は結婚、出産、育児がしやすい社会にすることではないでしょうか?
不妊治療は全額自費負担となる自由診療のため、料金は病院ごとで変わってきます。
大体の相場としては30~40万円ほどですが、病院によっては50~60万円ほどかかることもあります。
では、婦人科の医師が受け入れるかどうか?というのはどういうことかわかるでしょうか?
もし、保険適用になると不妊治療にかかる保険点数が定められることになるため、相場よりも高い料金設定で診療している病院は収益が減ってしまうことになります。
そのため、保険点数をいくらに設定するかが問題になってきます。
高く設定すれば保険適用になってもそれなりに費用が掛かりますし、低く設定されれば病院側に不満が出ることになります。
高額な治療費がかかる不妊治療が保険適用になるのは良いことですが、実現するにはまだまだ時間がかかることが予想されます。
そのため、現在、不妊治療を行っている方は待つことはお勧めすることはできません。
特に35歳以上の場合であればなおさらです。
今のところは助成金頼みになってしまいますが、無いよりはマシだと思います。
今ある制度をうまく活用して治療に挑むとともに、自分でもできることはしっかりと取り組んで体を整えるようにしましょう。
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