PMDDに対する鍼灸治療の症例

20代女性のPMDDに対する鍼灸治療の症例です。
PMSの症状がある女性の約5%の方に見られるPMDDですが、鍼灸治療でも改善が可能になりますが、生活習慣の改善も非常に大切です。鍼灸治療だけではなく、日常生活では運動を取り入れてもらい、毎日ではないものの時間を作ってしっかりと運動もしてもらえたために、非常に早く改善していくとともに、もう1つの希望もかなった症例になります。
PMDDだけではなく、PMSでお悩みの方も参考にしてください。

PMDDに対する鍼灸治療の症例

【現病歴】
12歳で初潮が来るが当時から生理痛が酷かった。
高校に入ると生理前になるとイライラしやすいという症状が徐々に出始めるが、当時はそれほど気にしていなかった。
また、この頃から生理不順になり、2週間で来たり、3ヶ月来ないことなどもあった。
高校卒業後は通信にて美容師の資格を取得するが、美容師としては働かずにオーストラリアへ1年間語学留学をする。
オーストラリアにいる際はストレスなのか、生理前だからなのか分からないが、ルームメイトと言い合いになることが良くあった。また、生理周期も以前にましてグチャグチャになる。

一昨年に結婚すると自分以外にも大切な人ができたために、色々な不安が付きまとうようになり、不安なことが重なると生理前の症状が酷くなり、夫に当たってしまうが、夫はなぜ機嫌が悪くなるのかが当時は分からなかったために、言われた分、言い返すことがあった。

婦人科を受診し薬を処方されたが特に効果はなく、漢方内科にて漢方薬を処方してもらうと、生理不順はあるものの生理が3ヶ月来ないということはなくなったが、生理前の症状自体はそれほど変化なし。
※処方された漢方薬
・加味逍遥散
・当帰芍薬散
・四逆散

9月22日の夜に夫が友人と遊んでおり朝帰りだったために色々と不安になり、母親と朝方まで4時間電話していた。夫は4時ごろに帰宅するが朝7時ごろからVR映像を見ているような感覚になり、自分で救急車を呼ぶと心療内科へ運ばれる。病院では薬を使用して7時間ほど眠ったが、母親や夫が誰なのかが分からない状態になっていた。※偽者のように感じる。

23日の午後2時ごろに生理が来ると正気に戻り、何事もなかったかのような感じになり、自分がなぜ病院にいるのかが分からなかった。
※数時間分の記憶がなくなっていた。
心療内科にてPMDDと診断。

【自覚症状】
不眠、乾燥肌、爪が割れやすい、痰が出やすい、吐き気、便秘、口周りに吹き出物ができやすい、頭痛、物忘れ、冷え性、腰痛、肩こり、のぼせやす

体表観察、弁証、治療について

脈診:中位で弦脈
舌診:淡紅~やや紅舌、白苔、舌裏怒張あり
腹診:胃土、両脾募に邪あり

弁証:肝鬱化火証によるPMDD

初回治療後は頭がスッキリし、よく眠れた。
4診目を終えた頃に生理が来るが、生理痛はあり、メンタルは特に問題なし。
7診目の頃に夫と些細なことでケンカをするが、メンタルは問題なし※生理予定日まで2週間
9診目の当日に生理が来るが、生理痛なし、メンタルも問題なし。
10診目から治療ペースを2週間にあけるが、特に問題なし。
12診目、前回の生理から40日以上経過しているがまだ生理が来ていないことと、気分の変調もあまりないため婦人科を受診すると妊娠していることが発覚したため、PMDDの治療は終了。

考察

割愛はしていますが、小さい頃から家庭環境や学校などでストレスを受けていたために、高校生の頃から徐々に生理不順やPMSの症状が出てくるようになりました。さらに、オーストラリアという異国の地での生活や言葉の壁などのストレスでさらに生理周期が乱れることになり、結婚後は友達のいない名古屋での生活が始まったことと、夫からの理解が得られなかったことで症状がさらに悪化し、PMSではなくPMDDを発症したと考えます。

東洋医学的にはストレスがマックスになり、体の中で火が発生し、この火が精神をかき乱している状態と判断しました。
治療は週1回を基本として行い、百会、照海、内関、太衝などから1~2穴使用し、体の中に発生している火を鎮火させていく治療を行いました。
治療を始めて2ヶ月経過した頃には症状が出なくなってきたため、妊娠希望でもあることを告げられましたが、その約1ヶ月ごに自然妊娠しました。妊娠したため、一旦PMDDの症状は出なくなるために治療は終了となりました。

Share

関連記事

当たり前のことができるかどうか

名古屋の体質改善請負人こと、蓬祥鍼灸院の長谷川です。 GWも今日を含めて後3日ですが、いかがお過ごしでしょうか? 私は特に出かけることなく、一昨日に高校のOB会に参加して懐かしい面々との再開を果たしたぐらいです。 突然で[…]

[» 続きを見る]

筋トレでアンチエイジング

人は誰でも実年齢よりも若く見られたいものです。女性であればなおさらそう思われると思います。 アンチエイジングの方法も多種多様であり、食べ物に気をつける、化粧品、エステなどがありますが、10年ほど前からは美容鍼が注目されて[…]

[» 続きを見る]

直観力

日々治療をしていると直感的に「ここだなっ!」と感じたツボに鍼を打つことがあります。 直感で選び迷いのない鍼が打てると驚くほどの効果が出る。 これは治療者の直感力。 おそらく患者さん側にも同じことが言えるのではないかと思い[…]

[» 続きを見る]

不妊症 32歳 女性

不妊症 32歳 女性 29歳で結婚したがなかなか子宝に恵まれないため、病院にて検査をすると卵巣の左側に卵管水腫が発見され、腹腔鏡にて左卵管切除。 その後は人工授精・体外受精(4回)と行うが妊娠できない。 当院には今年の3[…]

[» 続きを見る]

浮腫み(むくみ)について②

肺が病むと浮腫みの原因になることがある。 肺は呼吸器だが、東洋医学では水分代謝と非常に関係の深い臓器の1つ。 肺と水分代謝の関係は主に以下の3つ ①皮膚に潤いを与える ②大腸に水分を送る ③排尿作用の促進 肺が悪くなると[…]

[» 続きを見る]