前立腺肥大症に対する鍼灸治療の症例

30代 男性 前立腺肥大症の症例

2019年3月来院。
1ヶ月ほど前から常に尿意がある感じや残尿感があるため、近所の泌尿器科を受診すると過活動膀胱と診断され、トビエースを処方される。しかし、服薬を続けても症状が改善されないため当院を受診。
現在の症状は頻尿で1日に10回以上トイレに行く、残尿感、尿に濁りがあり、1回の排尿量が少ないなどの症状がある。

【その他の症状】
倦怠感、手足の冷え※特に足の冷えが強い、めまい、抑うつ感、ため息をよくつく、口の中が甘い感じがする、肩こりなど

舌診:淡白舌、はんどん舌(水分を含みぼってりとした状態)、舌裏怒張あり
脈診:沈細、尺位弱脈
腹診:腹部全体に冷えあり、左右大巨が虚で圧痛あり

弁証および治療について

腎陽虚症

治療は週1回を基本として腎兪穴への鍼治療と整えの灸を中心に行い、太谿穴や気海穴を適宜使用していく。また、過活動膀胱では尿の濁りは出ないはずなので、セカンドオピニオンとして他の泌尿器科を受診していただく。

初回の治療後より足の冷えが無くなり、残尿感は治療後3日ほどは気にならなかった。また、他の泌尿器科にてエコー検査をすると前立腺が明らかに大きくなっていることが判明したため、前立腺肥大症と診断され、ハルナールの服用を始める。

治療は引き続き週1回のペースにて行うと、8診目頃より残尿感が減少、また1日の排尿回数も10回以内に減少。11診目の治療を終えた頃に再度エコー検査をすると前立腺が元の大きさまでとはいかないが、小さくなっていたため12診で治療を終了。

考察

前立腺肥大症の原因は現代医学では原因ははっきりとは解明されておりませんが、男性ホルモンや加齢が原因とされています。この方は腎陽虚という体を温める力が著しく低下した状態でしたので、この体質を改善するための治療を行ったところ良い結果が出ました。また、腎陽虚という体質は若い方にもみられることはありますが、やはり50代以上の方がなりやすい体質でもあるので、前立腺肥大症にはなりやすいのかもしれません。



プロフィール
【取得資格】
はり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師

【鍼灸師になったきっかけ】
小学校から専門学校までバスケットボールをしており、高校時代に某高校のバスケットボール部のトレーナーをしている方の鍼灸院に怪我の治療でお世話になったことがきっかけ。
高校卒業後はスポーツトレーナーを目指し、トライデントスポーツ健康科学専門学校※現名古屋平成看護医療専門学校に通い、卒業後に名古屋鍼灸学校にてはり師、きゅう師、あん摩・マッサージ・指圧師国家資格を取得。
現在は不妊症をはじめとした婦人科疾患や皮膚疾患、精神疾患などの治療に力を入れております。

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